Vol.10 プリムール 〜 塩尻メルロー

「ドメーヌ・コーセイから2020ヴィンテージのプリムールの案内が来ています」

とバイヤーの橋本さんが知らせてくれました。

「ウチには少し価格帯が高いんですよね。興味あります?」

「あります!」

長野県塩尻にあるドメーヌ・コーセイは2019年が初ヴィンテージという新興ワイナリーで、現代日本ワインのレジェンド、味村興成さんが興したとして注目を集めています。

味村さんは、かの有名な「シャトー・メルシャン桔梗ヶ原メルロー」を20年間造ってきた方です。そんな名醸造家がメルローに特化したワイン造りを行っています。

プリムール Primeurは新酒という意味でボージョレ・ヌーボーもプリムールのひとつになります。プリムール買いというのはまだ樽の中で熟成中のワインを試飲して樽買いの予約をする、いわば先物取引です。

ドメーヌ・コーセイのような将来性の非常に高いワイナリーとよい関係を築くのは間違いなく有益ですし、一樽300本弱であれば特別な機会にとても重宝するのではないかと考えたのです。もちろん長期熟成が可能なワインです。

プリムール買いしたワインは他で手に入れることはできない完全エクスクルーシブになります。ラベルデザインを自由にできるという点も魅力的です。

6月、橋本さんとドメーヌ・コーセイを訪れました。

塩尻は日本最高のメルローによる赤ワインの生産地でそのワインは世界でも高い評価を受けています。ドメーヌ・コーセイは塩尻でも標高600mという好立地の片丘という地にブドウ畑をメルローのためだけに開いたのです。

最新鋭の設備が施されたピカピカのワイナリーに招待されたのは8社のみ。6つの樽ごとのサンプルがテイスティングに用意されました。この中から樽買いするワインを選ぶのです。

1つ、その品質、プレステージ性の高い樽メーカーのものがありました。テイスティングしてみると、威光を放っていました。橋本さんとも意見は一致。幸運にも他社と競合することなく決められました。

9月、再度塩尻に向かいました。瓶詰めのタイミングを決めるためです。今度は新川さんとデザイナーの秋山あゆさんも同行です。ワインは見事な品質を示していました。

10月、HUGEのソムリエチーム20名でドメーヌ・コーセイの2021年ヴィンテージの収穫に行ってきます。将来的には自分たちで収穫したブドウからできたワインをプリムール買いできるかもしれません。

そして12月、「片丘メルロー バレル・リザーヴ for HUGE 2020」がリリースされます。

ドメーヌ・コーセイのシンボルのバラ

関連記事一覧